家族性血小板異常症(FPD)のエピゲノム解析

Yuki Tanaka

家族性血小板異常症(familial platelet disorder:FPD)は、生殖細胞系列におけるRUNX1のヘテロ接合体変異により発症する常染色体優性遺伝病である。FPD患者全体の約35%が骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome : MDS)や急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)といった難治性造血器腫瘍に進展することからFPDは前MDSや前AML状態として認識されており、しばしばFPD/AMLと表現される。MDS/AMLではDNAメチル化異常が生じていることが明らかとなっているが、前MDS/AML状態のFPDにおけるDNAメチル化異常については報告がなくよくわかっていない。そこで本研究では、患者数が少なく入手困難なFPDモデル細胞をiPS細胞にゲノム編集技術を用いることで複数樹立し、野生型とFPDモデル間でのDNAメチル化状態を比較することでFPDにおけるDNAメチル化異常の解明を目指す。

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