HOME > シンポジウム&領域会議 > 平成25年度 第4回 領域会議のご報告。
シンポジウム&領域会議

平成25年度 第4回 領域会議のご報告。


平成25年9月3日から5日までの3日間、飛騨高山のひだホテルプラザで第4回領域会議が行われました。これまでと同様、活発な議論が交わされ、充実したものでした。ここに5人の若手研究者(諸橋 伸行様、岩谷 奈央子様、半田 雅憲様、日比野 絵美様、古寺 哲幸様)の感想文を掲載いたします。また、会期中の写真も掲載いたします。ぜひご覧下さい。 大阪大学蛋白質研究所 肥後 順一






もっと写真をご覧になりたい方は、こちらをご覧下さい。
今年いっぱいは、ここに写真を保持する予定です。


< 領域会議の感想文 >

平成25年度 第4回 領域会議
「天然変性タンパク質の分子認識と機能発現」平成25年度領域会議に参加して

平成25年9月3日から5日まで、岐阜県高山市ひだホテルプラザで開催された平成25年度領域会議に参加させて頂きました。初日には電車の大幅な遅延により、会議の開催が遅れるというハプニングもありましたが、様々な分野の研究者による異なるアプローチでの天然変性タンパク質に関する研究発表が行われました。最終年度ということもあり、どの発表も大変興味深いものでした。個人的には、池谷先生の細胞内での構造を解析することができるin-cell NMR、堀越先生のヒストン化学修飾ネットワークに関する発表が強く印象に残りました。天然変性タンパク質の機能や構造を理解するためには、様々な実験手法を組み合わせることが重要であると再認識致しました。また、二日目の夜には懇親会が開かれ、普段なかなかお会いする機会の無い先生方ともサイエンスに対する取り組み方、考え方などについてお話を伺うことができました。分子生物学的手法を用いて研究を行っている私にとって、情報生物学、構造生物学の方々とお話しする機会が得られたことは、大変貴重な経験となりました。最後に領域会議を運営して頂いた太田先生や廣明先生、スタッフの方々に心より感謝いたします。


明星大学理工学部 生命科学・化学系 諸橋 伸行

平成25年度 第4回 領域会議に参加して

第4回領域会議は飛騨高山において開催され、私は廣明先生(名古屋大)の研究協力者および運営のお手伝いスタッフとして初めて参加させていただきました。初日は突然の豪雨のため列車が止まり、参加者の皆さんの到着とともに開会時間が遅れるというトラブルもありましたが、代表の先生方の迅速な対応と発表者および参加者の皆様の柔軟な対応により、研究発表の第一のセッションから盛んな質疑応答が飛び交うスタートを切ることができました。
本会議において、私自身は、NMRを用いて天然変性タンパク質であるアミロイドベータの研究を行っていたことや、今後は天然変性領域を有するタウタンパク質を標的とする予定があるため、最新の知見や技術を勉強したいという思いがありました。実際は、期待以上の刺激を受ける発表と議論が展開する会議であり、しばしば自身の研究への応用展開を想像しながら三日間を過ごしました。専門分野の異なる研究者が天然変性タンパク質という一つのテーマに向かって集う本会議だからこそ、共同研究により研究の幅が何倍も大きく広がることも強く認識させられました。また、それぞれの研究者の方々が、天然変性の意義さらには起源に対し独自の概念を持っており、熱い議論の中でそれらを垣間見ることができ、大変興味深く感じました。多くの研究者の方々が強い使命感を持って研究に取り組んでいることを受け、私も、研究の本質とは何かをいま一度自分に問いかけ、真摯な気持ちで研究に向かうことが大切だと思いました。
ホテル内では、休憩中、朝夕の食事中も皆が活発な議論を交わしておりました。また、ホテル内の展望温泉と畳敷きの温泉、9月初旬の涼やかな気候の中での高山の街並みの観光、懇親会の食事の豪華なメニュー等の楽しみもありつつ、本会議はまさに研究者の合宿にふさわしいものでした。個人的には、特急列車「ひだ」から眺める雄大な山々と川、サギの美しさに心を奪われ、夕食・懇親会時の飛騨牛の美味しさに感激し、朝風呂を堪能しました。このような素敵な環境下を皆で過ごし、きっと多くのアイデアも生まれたのではないでしょうか。私も面白い研究を発信していきたいと思います。参加者の皆様、ありがとうございました。


名古屋大学大学院 創薬科学研究科 岩谷 奈央子


「天然変性タンパク質の分子認識機構と機能発現」 平成25年度領域会議に参加して

9月3日から9月5日に岐阜県高山市ひだホテルプラザで行なわれた「天然変性タンパク質の分子認識機構と機能発現」の 平成25年度領域会議に参加しました。 会議初日の豪雨によりプログラムが大幅に変更されるというハプニングもありましたが、構造生物学・分子生物学・情報生物学といった様々な分野の先生方による、43件の天然変性タンパク質をキーワードとした研究の発表が行なわれました。笠口先生、小田先生、菱木先生のMD-SAXSを利用した天然変性タンパク質の新規動的構造解析手法の開発の発表や、星野先生の構造変化を伴わずに、特定の立体構造をもたないまま相互作用する天然変性タンパク質の発表など大変興味深い発表があり、3日間を通して熱い議論が行なわれました。その議論は時間を超過することや休憩時間に個々で行なわれるなど、最先端の領域を走る先生方のエネルギーを肌で感じることができました。また、議論の最中に堀越先生が「in vitroであったとしてもin cellであったとしても、自分たちの都合のいい空間を切り取って物事を見ていることを念頭に置いておかなければならない。」と言われました。この言葉は当たり前のことかもしれませんが、今後研究と向かい合っていくうえで大切な言葉を頂いたと思います。この会議に参加して得た、知識や情熱をこれからの研究に注げればと思います。最後に、今回の領域会議を開催、運営してくださった、太田先生はじめスタッフの方々に心より御礼申し上げます。


信州大学大学院 理工学系研究科 半田 雅憲

「天然変性タンパク質の分子認識機構と機能発現」平成25年度領域会議に参加して

平成25年9月3日から5日まで、飛騨高山のひだホテルプラザにて開催された第4回領域会議に参加させて頂きました。天候の良くない時候柄、行きの特急が倒木との接触事故を起こし列車の大幅な遅延、それに伴う開始時刻やプログラムの変更等、ハプニングから始まりましたが、佐藤先生がおっしゃったように非常に記憶の残る領域会議となりました。今回は前年度に引き続き2度目の参加で、昨年は多様なアプローチ方法に只々圧倒されてしまいましたが、本年は昨年の前提の下非常に興味深く傾聴させて頂きました。自分自身天然変性蛋白質を扱っている上で、その扱いの特殊さや、天然変性領域の相互作用にかなり関心があり、特に精製方法や相互作用の検出方法に関して勉強させて頂きました。2日目の夜には懇親会もあり、話しやすい雰囲気の中様々な先生方と意見交換ができ非常に有意義な時間を過ごすことができました。IDPは、これ自体の性質や機能も興味深く、さらにRigidな蛋白質や蛋白質の進化の考察においても一端を担っていると思いますので、当分野の益々の発展を期待すると共に、その発展に貢献できるよう研究を進めていきたい所存でございます。最後になりましたが、運営下さった廣明先生、太田先生をはじめスタッフの方々、また参加者の皆様に深く御礼申し上げます。


京都大学大学院 薬学研究科 日比野 絵美

第4回領域会議に参加して

今回の第4回領域会議は、9月3日~5日に岐阜県高山市の「ひだプラザホテル」にて行われました。初日の会議開始前には、多くの参加者の方々が豪雨による電車のトラブルにみまわれ、会議のスタートが大幅に遅れるハプニングがありましたが、みなさんハプニングを楽しみに変えているようでした。この会議では、様々な実験手法や理論計算法を駆使したIDPsに関する最新の研究動向を伺えるので、毎回楽しみに参加させていただいています。今回で3回目の参加となりましたが、領域代表の佐藤先生が以前から随所で強調されていました班員同士の共同研究が随分と活発に行われ、一つの対象について多角的に調べられている系もあり、深みが出てきているなあという印象を強く受けました。いずれの発表も興味深く聞かせていただきましたが、個人的には、苙口先生と小田先生のMDシミュレーションとSAXSを組み合わせ新しい動的構造解析手法の開発や、鎌形先生のDNA上をp53がスライドしたりセグメント移動したりする様子を可視化した一分子蛍光観察や、星野先生の転写因子Sp1とTAF4のグルタミンリッチドメインがIDRで特定の立体構造を持たないまま相互作用しているという知見などにとても興味を持ちました。また、研究スタンスに関する情熱的な議論も行われ、心打たれる一幕もありました。ホテルでは、地元の素材を使った美味しい料理(飛騨牛のしゃぶしゃぶや、なまずの刺身など)や、屋上の露天風呂(天候が悪かったので雷に打たれないかヒヤヒヤしましたが…)や地下の畳張りの洗い場を持った温泉など、趣向を凝らした"おもてなし"を味わうことができました。また夜には、お酒を片手に研究談義に花が咲き、IDPsの素性を明らかにするための新たなコラボレーションが生まれることが期待されます。会議の2日目の昼食時には、同室だった香川先生たちと、黒塗りで統一された出格子や小ひざしを持った江戸時代にタイムスリップしたような建物が連なる通りを散策したり、高山ラーメンを堪能したりする時間もあり、高山観光も満喫することができました。班員の方には、飛騨牛のにぎり寿司を堪能された方もおられたようです。おかげさまでとても有意義で充実した時間を過ごすことができました。今回の領域会議の世話役の太田先生、廣明先生、ならびに、運営に携われたスタッフの方々に心より感謝いたします。


金沢大学 理工研究域バイオAFM先端研究センター 古寺 哲幸


| HOME | ニュース | 概要 | 計画研究 | 公募研究 | 成果 | 組織 |
| シンポジウム&領域会議 | 配信申し込み | ログページ | 問い合せ | サイトマップ |