天然変性タンパク質は単独では変性状態をとりますが、ターゲット分子と相互作用することで特定の立体構造を形成します。このような「結合と連結した折り畳まり」という分子認識機構は、従来の「鍵と鍵穴モデル」や「適合融合モデル」の概念に収まらないまったく新しいものです。天然変性タンパク質は、真核細胞に多く見られ、「結合と連結した折り畳まり」を通して細胞内の様々なネットワークのハブタンパク質として高度に洗練された機能を発揮します。
本領域では、構造生物学、分子生物学、情報生物学の３分野の研究者が連携し、「天然変性タンパク質がどのような機構で構造や機能が異なる複数のターゲット分子を認識し、機能を発現するか」について、理論的・実験的に解明します。そして、物理学・化学・生物学が真に融合した新しい学際的な研究領域の構築を目指します。
領域代表者
横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科
教授　佐藤 衛