大学院生の菊地 杏美香さんが、第48回日本分子生物学会年会でMBSJ Poster Award 2025 とMBSJ-EMBO Poster Award 2025を同時受賞!
2026.01.28
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植物の発育と環境適応に関わるDNAメチル化酵素MET1による、植物ならではのメチル化活性制御機構を解明!
生命医科学研究科 博士後期課程2年の菊地 杏美香さんが、2025年12月3日~5日 にパシフィコ横浜で開催された第48回日本分子生物学会年会において、「Cryo-EMが明らかにした植物維持メチル化酵素MET1による動物とは似て非なるDNA維持メチル化の制御機構」について発表し、MBSJ Poster Award 2025を受賞しました。
このMBSJ Poster Award 2025は、1,599件のエントリーの中から11%にあたる171件に与えられた賞です。さらに、その中でも特に審査員からの評価が高い51件 (全エントリー中3%) に授与される「MBSJ-EMBO Poster Award 2025」も同時に受賞しました。これは、審査員から特に高い評価を得た証です。
おめでとうございます!
このMBSJ Poster Award 2025は、1,599件のエントリーの中から11%にあたる171件に与えられた賞です。さらに、その中でも特に審査員からの評価が高い51件 (全エントリー中3%) に授与される「MBSJ-EMBO Poster Award 2025」も同時に受賞しました。これは、審査員から特に高い評価を得た証です。
おめでとうございます!
受賞者
生命医科学研究科 博士後期課程2年
構造生物学研究室所属
菊地 杏美香 さん
指導教員
大学院生命医科学研究科
構造生物学研究室 有田 恭平 教授
受賞内容
第48回日本分子生物学会年会
MBSJ-EMBO Poster Award 2025
発表タイトル
Cryo-EMが明らかにした植物維持メチル化酵素MET1による動物とは似て非なるDNA維持メチル化の制御機構
生命医科学研究科 博士後期課程2年
構造生物学研究室所属
菊地 杏美香 さん
指導教員
大学院生命医科学研究科
構造生物学研究室 有田 恭平 教授
受賞内容
第48回日本分子生物学会年会
MBSJ-EMBO Poster Award 2025
発表タイトル
Cryo-EMが明らかにした植物維持メチル化酵素MET1による動物とは似て非なるDNA維持メチル化の制御機構
今回の発表内容について菊地さんに解説していただきました。
DNAにメチル基が付加されるDNAメチル化は、遺伝子のはたらきを制御する化学修飾です。私たちの身体を構成する細胞がそれぞれ異なる形や機能を持つことができるのは、細胞ごとに使われる遺伝子が異なるからです。
特に植物では、DNAメチル化が発育の制御や環境変化に対するストレス耐性の獲得に重要な役割を果たすことが知られています。しかし、植物のDNAメチル化を担うタンパク質分子が、どのような立体構造を持ち、どのような分子機構でDNAメチル化を制御しているのかについては、十分に理解されていませんでした。
本研究では、DNAメチル化情報の維持を担う植物のDNAメチル化酵素MET1に着目し、クライオ電子顕微鏡(*1)を用いてその立体構造を決定することで、MET1の活性制御機構の解明を目指しました。その結果、動物と植物のDNAメチル化酵素間での活性制御機構は共通していると考えられてきましたが、植物には独自の活性制御機構が存在することを発見しました。本研究成果は、植物におけるDNAメチル化の基本原理の理解を前進させる新たな知見を与えるものであり、将来的には農業や食料問題の解決への貢献が期待されます。
特に植物では、DNAメチル化が発育の制御や環境変化に対するストレス耐性の獲得に重要な役割を果たすことが知られています。しかし、植物のDNAメチル化を担うタンパク質分子が、どのような立体構造を持ち、どのような分子機構でDNAメチル化を制御しているのかについては、十分に理解されていませんでした。
本研究では、DNAメチル化情報の維持を担う植物のDNAメチル化酵素MET1に着目し、クライオ電子顕微鏡(*1)を用いてその立体構造を決定することで、MET1の活性制御機構の解明を目指しました。その結果、動物と植物のDNAメチル化酵素間での活性制御機構は共通していると考えられてきましたが、植物には独自の活性制御機構が存在することを発見しました。本研究成果は、植物におけるDNAメチル化の基本原理の理解を前進させる新たな知見を与えるものであり、将来的には農業や食料問題の解決への貢献が期待されます。
本受賞について、菊地さんと指導教員の有田先生からコメントをもらいました。
受賞者: 菊地 杏美香さんのコメント
このたびは、数多くの発表演題の中から名誉ある賞に選出いただき、大変光栄に思います。本学会において評価してくださった先生方、ならびに学会関係者の皆様に深く御礼申し上げます。学部から修士課程にかけて取り組んできた動物のDNAメチル化酵素に関する研究を、博士課程では植物へと展開し、植物ならではの制御機構を明らかにしました。本研究の面白さを一人でも多くの人に伝えたい! という思いから、ポスターのデザインについては研究成果が一目で理解できるように工夫を凝らしました。発表当日は構造生物学を専門とする研究者をはじめ、植物やさまざまな生物種のDNAメチル化を研究されている方々と進化的な観点からも活発な議論をすることができ、研究の楽しさを改めて実感する時間となりました。本研究を通じて見えてきた新たな課題は、今後の研究への原動力でもあります。今回の受賞を励みにこれからも探究を続け、研究の面白さと価値を発信していきたいと考えております。最後に、日頃より熱心にご指導くださる有田教授をはじめ、研究はもちろん、ポスター資料の作成においても何度もアドバイスしてくださった有田研究室の皆様、そして本研究を遂行するにあたり支えてくださったすべての方々に、心より感謝申し上げます。
指導教員:有田 恭平教授のコメント
おめでとうございます! 厳正な審査を経て、名誉ある学会賞を受賞されたことを、指導教員として心から誇りに思います。
菊地さんは学部1年生後期から、本学の理数マスター育成プログラムを活用して当研究室で活動を開始しました。その後、学部から大学院へと一貫して研究に取り組み、横浜市立大学における学部・大学院一貫教育による学生育成を体現する、まさにロールモデルとなる存在です。約8年にわたる研究指導の中で、学術的に高い価値を持つ論文を数多く発表し、筆頭著者としてNature Communications誌に2報の論文を公表するなど、顕著な研究成果を挙げてきました。また、これまでに複数の学会賞を受賞し、着実に実績を積み重ねてきました。
その一方で、長い研究生活の中では、研究に挫折し苦しい状況を経験しましたし、自分が期待していたような発表ができず悔し涙を流した場面もありました。しかし、どのような状況でも、研究を心から楽しみ、貪欲に成果を求める姿勢は一貫しており、その姿勢が変わることは決してありませんでした。今回の受賞も、研究の楽しさや魅力を自分の言葉で審査員に伝えられた事が大きな要因の一つであったと思います。
Enjoy Science!!!
いついかなる時も研究を楽しむ気持ちを忘れず、謙虚な姿勢で研究に励み、横浜市立大学の後輩たちがあこがれる素敵な研究者へ成長されることを心より期待しています。
菊地さんは学部1年生後期から、本学の理数マスター育成プログラムを活用して当研究室で活動を開始しました。その後、学部から大学院へと一貫して研究に取り組み、横浜市立大学における学部・大学院一貫教育による学生育成を体現する、まさにロールモデルとなる存在です。約8年にわたる研究指導の中で、学術的に高い価値を持つ論文を数多く発表し、筆頭著者としてNature Communications誌に2報の論文を公表するなど、顕著な研究成果を挙げてきました。また、これまでに複数の学会賞を受賞し、着実に実績を積み重ねてきました。
その一方で、長い研究生活の中では、研究に挫折し苦しい状況を経験しましたし、自分が期待していたような発表ができず悔し涙を流した場面もありました。しかし、どのような状況でも、研究を心から楽しみ、貪欲に成果を求める姿勢は一貫しており、その姿勢が変わることは決してありませんでした。今回の受賞も、研究の楽しさや魅力を自分の言葉で審査員に伝えられた事が大きな要因の一つであったと思います。
Enjoy Science!!!
いついかなる時も研究を楽しむ気持ちを忘れず、謙虚な姿勢で研究に励み、横浜市立大学の後輩たちがあこがれる素敵な研究者へ成長されることを心より期待しています。
用語説明
(*1)クライオ電子顕微鏡: タンパク質やDNAなどの生体分子の立体構造を明らかにする手法の一つ。生体分子を液体エタン中で急速に凍結させ、その状態を電子顕微鏡で観測する。
(*1)クライオ電子顕微鏡: タンパク質やDNAなどの生体分子の立体構造を明らかにする手法の一つ。生体分子を液体エタン中で急速に凍結させ、その状態を電子顕微鏡で観測する。


