生命医科学研究科 生命情報科学研究室 吉澤竜哉さんが、 CBI学会2025年大会でBest Poster Awardを受賞!
2025.11.20
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生命医科学研究科 生命情報科学研究室 吉澤竜哉さんが、2025年 10月27日(月)~30日(木)にタワーホール船堀(東京都江戸川区)で開催された「CBI学会2025年大会」において、選出されたポスター賞の中で最も評価の高い Best Poster Award を受賞されました!おめでとうございます。
受賞者
生命医科学研究科 博士後期課程2年
生命情報科学研究室所属
吉澤 竜哉 さん
指導教員
大学院生命医科学研究科
生命情報科学研究室 寺山 慧 准教授
受賞内容
情報計算化学生物学会(CBI学会)2025年大会
「Best Poster Award」
(最優秀ポスター賞)
発表タイトル
「Molecule Generation with Boltz-2: A Case Study on Kinase Inhibitor Design」
(日本語訳「Boltz-2を用いた分子生成: キナーゼ阻害剤設計におけるケーススタディ」)
生命医科学研究科 博士後期課程2年
生命情報科学研究室所属
吉澤 竜哉 さん
指導教員
大学院生命医科学研究科
生命情報科学研究室 寺山 慧 准教授
受賞内容
情報計算化学生物学会(CBI学会)2025年大会
「Best Poster Award」
(最優秀ポスター賞)
発表タイトル
「Molecule Generation with Boltz-2: A Case Study on Kinase Inhibitor Design」
(日本語訳「Boltz-2を用いた分子生成: キナーゼ阻害剤設計におけるケーススタディ」)
今回受賞した研究内容について吉澤さんに解説していただきました。
新しい医薬品を開発するには、創薬標的となるタンパク質に結合しやすい分子を探索する必要があります。しかし、この探索には膨大な時間とコストが伴うため、その効率化のための技術として、分子を自動生成する人工知能(分子生成AI)が注目を集めています。この技術を活用して望みの分子を生成するためには、生成された分子の望ましさを適切に評価することが重要です。分子の評価手法の一つとして、分子の標的タンパク質に対する結合しやすさ(結合親和性)を高い精度で予測できるAIモデル「Boltz-2」が最近発表され、非常に大きな注目を集めています。そこで本研究では、生成された分子の評価にBoltz-2を用いた分子生成手法を開発し、その性能を検証しました。
本研究では、当研究室で開発している分子生成AI「ChemTSv2*」にBoltz-2を統合した手法を開発しました。標的タンパク質として細胞周期を制御する酵素CDK2を選択し、CDK2に対する阻害剤候補の探索を行いました。結果として、既存薬と共通する重要な相互作用を再現しつつ、高い結合親和性が期待される新規分子を生成することに成功しました。
今回の成果は、Boltz-2を分子生成に有効活用できることを示したものであり、Boltz-2を利用した創薬のさらなる発展に向けた足がかりになることが期待されます。
*ChemTSv2:生命情報科学研究室で開発している分子生成AIで、薬から材料まで様々な機能性分子を設計可能
本研究では、当研究室で開発している分子生成AI「ChemTSv2*」にBoltz-2を統合した手法を開発しました。標的タンパク質として細胞周期を制御する酵素CDK2を選択し、CDK2に対する阻害剤候補の探索を行いました。結果として、既存薬と共通する重要な相互作用を再現しつつ、高い結合親和性が期待される新規分子を生成することに成功しました。
今回の成果は、Boltz-2を分子生成に有効活用できることを示したものであり、Boltz-2を利用した創薬のさらなる発展に向けた足がかりになることが期待されます。
*ChemTSv2:生命情報科学研究室で開発している分子生成AIで、薬から材料まで様々な機能性分子を設計可能
https://www.yokohama-cu.ac.jp/news/2023/20230818terayama.html
本受賞について、吉澤さんと指導教員の寺山先生からコメントをもらいました。
受賞者: 吉澤 竜哉 さんのコメント
この度は名誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。CBI学会2025年大会の実行委員の皆様、ご評価いただきました先生方、ならびに発表をご清聴くださった皆様に、心より御礼申し上げます。
本学会には、アカデミアのみならず製薬企業をはじめとする産業界からも多くの方々が参加されています。ポスター発表では、製薬企業の研究者の皆様にもお立ち寄りいただき、創薬の現場からの視点で議論できたことは、大変貴重な経験となりました。また、アカデミアの研究者の皆様から頂いた示唆に富むコメントも、今後の研究の大きな糧となりました。この度の受賞を励みに、引き続き研究に邁進してまいります。
最後に、本研究の遂行および発表準備にあたりご指導・ご助言を賜りました寺山先生、共同研究者の先生方に、この場をお借りして深く感謝申し上げます。
本学会には、アカデミアのみならず製薬企業をはじめとする産業界からも多くの方々が参加されています。ポスター発表では、製薬企業の研究者の皆様にもお立ち寄りいただき、創薬の現場からの視点で議論できたことは、大変貴重な経験となりました。また、アカデミアの研究者の皆様から頂いた示唆に富むコメントも、今後の研究の大きな糧となりました。この度の受賞を励みに、引き続き研究に邁進してまいります。
最後に、本研究の遂行および発表準備にあたりご指導・ご助言を賜りました寺山先生、共同研究者の先生方に、この場をお借りして深く感謝申し上げます。
指導教員:寺山 慧 准教授のコメント
吉澤さん、Best Poster Award 受賞おめでとうございます!
本研究は、近年大きく発展している拡散モデルを用いて、薬剤候補分子とタンパク質の結合を推定する手法を取り入れたものです。最新の手法をいち早くキャッチアップし、吉澤さんの得意とする分子生成AIの手法開発と組み合わせることで、タイムリーな研究を遂行した点が高く評価されたものと思います。今後もAI 技術の発展は加速していくと考えられますので、ぜひ幅広く興味のアンテナを張り巡らせ、最先端の研究を推進してくれることを期待しています。
また、本研究の実施にあたりご支援を頂いた共同研究者の先生方、ならびにポスター発表を評価してくださった先生方に、深く感謝申し上げます。
本研究は、近年大きく発展している拡散モデルを用いて、薬剤候補分子とタンパク質の結合を推定する手法を取り入れたものです。最新の手法をいち早くキャッチアップし、吉澤さんの得意とする分子生成AIの手法開発と組み合わせることで、タイムリーな研究を遂行した点が高く評価されたものと思います。今後もAI 技術の発展は加速していくと考えられますので、ぜひ幅広く興味のアンテナを張り巡らせ、最先端の研究を推進してくれることを期待しています。
また、本研究の実施にあたりご支援を頂いた共同研究者の先生方、ならびにポスター発表を評価してくださった先生方に、深く感謝申し上げます。


