博士前期課程2年三上芽生さんが、The 10th Asia-Oceania Mass Spectrometry Conference で、Best Presentation Award (First Prize)を受賞!
2025.08.07
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生命医科学研究科 博士前期課程2年三上芽生さんが、2025年6月22日(日)~25日(水)に沖縄県のANAインターコンチネンタル石垣リゾートで開催されたThe 10th Asia-Oceania Mass Spectrometry Conference (AOMSC 2025)において、「Search for Differentiation markers of human iPSCs by EV using data-independent acquisition LC/MS/MS」について発表し、Best Presentation Award (First Prize)を受賞しました。おめでとうございます。
Best Presentation Awardには176人が応募し、First PrizeとSecond Prizeで各6人が受賞しました。
Best Presentation Awardには176人が応募し、First PrizeとSecond Prizeで各6人が受賞しました。

受賞者
生命医科学研究科 博士前期課程2年
創薬再生科学研究室所属
三上 芽生 さん
指導教員
大学院生命医科学研究科
創薬再生科学研究室 川崎 ナナ教授
受賞内容
The 10th Asia-Oceania Mass Spectrometry Conference (AOMSC 2025)
Best Presentation Award First Prize
発表タイトル
「Search for Differentiation markers of human iPSCs by EV using data-independent acquisition LC/MS/MS」
日本語訳:データ非依存的取得LC/MS/MSを用いた細胞外小胞の解析によるヒトiPS細胞の分化マーカーの探索
生命医科学研究科 博士前期課程2年
創薬再生科学研究室所属
三上 芽生 さん
指導教員
大学院生命医科学研究科
創薬再生科学研究室 川崎 ナナ教授
受賞内容
The 10th Asia-Oceania Mass Spectrometry Conference (AOMSC 2025)
Best Presentation Award First Prize
発表タイトル
「Search for Differentiation markers of human iPSCs by EV using data-independent acquisition LC/MS/MS」
日本語訳:データ非依存的取得LC/MS/MSを用いた細胞外小胞の解析によるヒトiPS細胞の分化マーカーの探索
ー今回受賞した研究内容について三上さんに解説していただきました。
iPS細胞はさまざまな細胞に人工的に分化誘導できることから、脊髄損傷やパーキンソン病、虚血性心筋症など、現在まで治療が困難とされてきた疾患への応用が期待されています。移植用細胞の製造には多大な時間と費用がかかるため、これらの削減が可能な閉鎖型自動培養装置の開発が進んでいます。しかし、閉鎖系内でiPS細胞の分化度を迅速かつ適切に評価する方法が確立されておらず、実用化への大きな壁となっています。そこで私は培養工程内で排出される細胞培養上清を用いて、細胞を消費することなく効率的にiPS細胞の分化を予測するマーカーの探索を研究目的としました。その方法として特異的な濃縮が可能な細胞外小胞(EV)と微量成分に適したデータ非依存的取得LC/MS/MSに着目した網羅的解析法を構築し、iPS細胞の神経/心筋細胞への分化過程7日目におけるEVと細胞の各タンパク質の変動を解析しました。結果として分化に伴うEVタンパク質の変動は細胞タンパク質の変動と有意な正の相関を示し、特に神経分化ではTrophoblast glycoprotein (TPBG)、 心筋分化ではVimentin (VIM)が顕著に増加することが明らかとなりました。さらには、各分化後の細胞を用いたフローサイトメトリ—や生存細胞数により示された細胞株ごとに異なる分化効率の差をTPBGとVIMは反映していたことから、EVタンパク質はiPS細胞の分化予測に有用である可能性が示唆されました。将来的にこれらのEVマーカーが実用化されることで、iPS細胞を用いた再生医療が多くの人々にとって身近になることが期待されます。
本受賞について、三上さんと指導教員の川崎先生からコメントをもらいました。
受賞者: 三上 芽生さんのコメント
この度は数多くある発表の中から、名誉のある賞に選出して頂き光栄に存じます。研究を遂行するにあたりご指導いただきました川崎教授、ならびに創薬再生科学研究室の皆さまに心より御礼申し上げます。
AOMSC 2025にはアジア・オセアニア地域を中心とした23カ国から質量分析を様々な分野において活用される約700名の研究者の方々が参加され、さらには目の前に石垣島の美しい海が広がるロケーションということもあり、大変刺激の多い学会でした。初めての国際学会への参加だったため、発表前は不安も多くありましたが、海外の研究者の方々とディスカッションをする楽しさを学ぶことができました。
図や文章の配置、大きさ、色分けにこだわり、なるべく多くの方に一目で内容が伝わるように工夫したこと、ギリギリまで粘って実験をやり遂げたこと、今までの研究室でのセミナーや発表会の経験が自分に自信を与えてくれたことが今回の賞に繋がったと感じました。まだまだチャレンジしたいことがたくさんあるので、修士学生としての残りの期間も研究に励んで参ります。
AOMSC 2025にはアジア・オセアニア地域を中心とした23カ国から質量分析を様々な分野において活用される約700名の研究者の方々が参加され、さらには目の前に石垣島の美しい海が広がるロケーションということもあり、大変刺激の多い学会でした。初めての国際学会への参加だったため、発表前は不安も多くありましたが、海外の研究者の方々とディスカッションをする楽しさを学ぶことができました。
図や文章の配置、大きさ、色分けにこだわり、なるべく多くの方に一目で内容が伝わるように工夫したこと、ギリギリまで粘って実験をやり遂げたこと、今までの研究室でのセミナーや発表会の経験が自分に自信を与えてくれたことが今回の賞に繋がったと感じました。まだまだチャレンジしたいことがたくさんあるので、修士学生としての残りの期間も研究に励んで参ります。
指導教員:川崎ナナ 教授のコメント
三上さん、AOMSC2025での受賞おめでとうございます。研究内容の独自性やポスターの完成度に加え、英語での質疑応答にも的確に対応された点が高く評価され、受賞につながったのだと思います。この経験を励みに、今後の論文執筆にもぜひ力を入れてください。