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生命医科学研究科 藤田陽さんが第29回日本がん分子標的治療学会学術集会においてポスター賞を受賞

2025.07.15
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  • 学生の活躍
生命医科学研究科 博士後期課程2年 創薬有機化学研究室所属の藤田陽さんが2025年7月2日(水)~4日(金)に北海道大学で開催された第29回日本がん分子標的治療学会学術集会のポスター発表にて「β-cateninを標的としたPPI阻害ペプチドのin silicoデザイン」について発表し、ポスター賞を受賞しました。
受賞者
生命医科学研究科 博士後期課程2年
創薬有機化学研究室所属
  藤田 陽
ふじた みなみ
 さん

指導教員
大学院生命医科学研究科 出水庸介 客員教授

受賞内容
第29回日本がん分子標的治療学会学術集会 ポスター賞

発表タイトル
「β-cateninを標的としたPPI阻害ペプチドのin silicoデザイン」

ー今回受賞した研究内容について藤田さんに解説していただきました。

細胞内のタンパク質間相互作用(PPI)は様々な生命現象に関与しており、異常なPPIはがんをはじめとする疾患の原因となります。
今回、多岐にわたるがん疾患に関与することが報告されているWnt/β-cateninシグナル経路のβ-cateninを標的としたPPI阻害ペプチドの開発および計算手法を利用した高活性化に関する研究について報告いたしました。Wnt/β-catenin経路を標的とした抗がん剤の開発は、多くの研究者が挑戦してきましたが、有効な医薬品の開発は達成されていません。その原因として、β-cateninがdruggableなターゲットではないことが考えられます。本研究では、ペプチドデザインに計算手法を活用しており、研究者の知識や経験のみでは見逃してしまう配列デザインを行い、細胞レベルでの高活性化に成功しました。本研究の成果が"undruggableなターゲットをdruggableに"という医薬品開発に関わる研究者の大きな目標の達成に向けて、微力ながらも貢献できれば幸いです。

本受賞について、藤田さんと指導教員の出水先生からコメントをもらいました。

受賞者: 藤田 陽 さんのコメント

この度、第29回日本がん分子標的治療学会学術集会においてポスター賞を受賞でき、大変光栄に思います。修士1年からがん疾患関連タンパク質を標的としたPPI阻害ペプチドの研究に従事してまいりましたが、その難しさや意義を痛感しております。本学会で、著名な先生方や製薬企業の皆様とディスカッションすることができ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。今後も、がん治療の発展に貢献できるよう、より一層精進してまいります。
本学会で評価いただきました先生方並びに学会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
また、出水教授をはじめとする国衛研 有機化学部の皆様、本研究の遂行に際し多大なご支援を賜りました皆様に深く感謝申し上げます。

指導教員:出水 庸介大学院客員教授のコメント

藤田さん、優秀発表賞の受賞おめでとうございます!
発表を重ねるたびに、プレゼン力も発信力もどんどんレベルアップしていて、毎回びっくりしています。研究を進める力も着実についてきていて、研究者として頼もしく成長している姿に、こちらも刺激をもらっています。
いつもこちらが頼りっぱなしで申し訳ありませんが…その分しっかり応えてくれるので本当に助かっています。今回の受賞を自信にして、博士課程の後半戦もこの調子でどんどん飛躍していってください。これからの活躍も楽しみにしています!

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