構造生物学実習2003におけるXfitの使用法 橋本 博 XtalViewはD. M. McRee氏によって開発されたタンパク質結晶構造解析をおこなうためのプログラムパッケージの一つである。結晶構造解析に必要なソフトウエアはほとんど含まれている。 今回の実習では、XtalViewに含まれるグラフィックソフトXfitを使用し、Lysozymeを対象にX線結晶構造解析におけるタンパク質分子モデルの構築を体験する。 流れ リゾチーム分子は129アミノ酸から構成されている。電子密度を元に構築した部分構造(ポリアラニンのへリックス)を初期モデルとする。 ------------------------------------------------------------- 1.準備 ホームディレクトリに作業ディレクトリをつくる。 % cd 作業ディレクトリに実習に必要な座標(PDB)と電子密度(MAP)ファイルをコピーする。 % cd xtalview --------------------<戻る>---<次へ>----------------------- 2.電子密度と部分構造(αへリックスのポリアラニンモデル)の表示
% xfit を実行すると、Xfitのメニューウインドウと真っ黒なウインドウが表示される。 Xfitのメニューウインドウ @lysozymeと入力しEnterキーを押す。(格子定数と空間群が読み込まれる )
@A lysozyme.mapとala_helix.pdbを右クリックするとファイルが選択される。 表示されている分子は、炭素原子が黄色、窒素原子が青色、酸素原子が赤色で表現されている。(水素原子は白、硫黄原子は緑) XfitのメニューウインドウでContours...を左クリックすると電子密度の表示を変更するContourウインドウが現れる。
@のレベル(□)を左右に動かすことで、表示される電子密度の範囲を変えることができる。 Xfitで分子みる方法(マウスの操作法) 左クリックしながらマウスを動かすと分子が回転する。 XfitのメニューウインドウでModel....を左クリックすると現在読み込まれている構造の情報をみることができる。 左側のResidues:の欄には、現在表示されているモデルの配列と残基番号が表示されている。
--------------------<戻る>---<次へ>----------------------- リゾチームのアミノ酸配列からの二次構造予測 > Lysozyme - chicken egg
white - 129 aa, Molecular Weight 14 kDa 二次構造予測は以下のサイトを利用した http://bioinf.cs.ucl.ac.uk/psipred/psiform.html 現在表示されている電子密度とポリアラニンモデルを一つずつ見て、側鎖の電子密度の特徴を把握する。 側鎖の置換方法 XfitのメニューウインドウでModel....を左クリック @置換したい残基を選択 このようにして501から513までのアラニンを実際のアミノ酸に置き換えていく。 ヒント: バリンの電子密度に、誤ってヒスチジンに置換した例 ヒスチジンの側鎖が、電子密度からはみ出ており、フィットさせることができない。 グルタミン酸の側鎖を電子密度にフィットさせた例 正しいアミノ酸に置換すると、下図のように、アミノ酸の側鎖が電子密度にきっちりとフィットする。
20種類のアミノ酸の構造
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