研究内容

人工設計タンパク質(Tameグループ)

私達の研究グループでは、完全回転対称プロペラ型人工タンパク質を設計し、世界で初めてそのタンパク質の製造に成功しました。
新規人工タンパク質は形状がイタリア料理のピザに似ていることから、Pizzaと呼ばれています。
製造に成功したピザ型人工タンパク質は、極めて小さく、熱に対する安定性も高いという性質を持っています。
今回私たちが開発したタンパク質設計方法は、簡単に他のタンパク質グループにも応用できます。
Pizzaタンパク質のような自己組織化するナノスケール部品は、ナノデバイスなど様々な分野への応用が期待されています。

ピザ型人工タンパク質の設計・製造に成功

人工的に設計したタンパク質による金属ナノ結晶の生成

海洋生物由来レクチンの構造解析(Tameグループ)

動物の細胞表面は糖鎖で覆われており、レクチンが糖鎖と結合して細胞の働きを調節することが知られています。
レクチンは糖鎖と結合するタンパク質の総称(糖鎖結合抗体を除く)で、細菌から植物、動物まで全ての生物で見つかっています。
海産無脊椎動物を含む下等生物のレクチンには、腫瘍化や再生中の細胞の表面タンパク質に出現する糖鎖と結合するものが知られており、糖鎖を標的とした治療薬開発への応用が期待されています。
私たちは市大八景キャンパス大関研究室と共同で、海洋生物由来レクチンの構造・機能の解析に取り組んでいます。

抗腫瘍細胞活性を持つムラサキイガイ由来タンパク質の立体構造を決定

腫瘍細胞の糖鎖と結合する人工レクチンを計算機科学で設計

ムール貝からギラン・バレー症候群関連糖鎖と結合する新種のレクチンを発見

インフルエンザウイルスRNAポリメラーゼの立体構造解析(朴グループ)

インフルエンザは、ヒトに感染すると高熱や関節痛、倦怠感などの全身症状や、喉の痛みや咳などの呼吸器系の症状を示すウイルスです。
このインフルエンザウイルスは非常に変異を引き起こしやすいという特徴を持っており、ワクチンの効かない新型インフルエンザが大流行する可能性が心配されています。
インフルエンザウイルスに対する薬剤開発の鍵として、RNAポリメラーゼが注目されています。
インフルエンザウイルスのRNAポリメラーゼは、ウイルスの複製(増殖)に中心的な役割を担っていることや、変異を起こしにくいという特徴を持っているため、理想的な創薬ターゲットとして注目されています。
我々の研究室では、インフルエンザウイルスのRNAポリメラーゼサブユニット複合体の構造を、世界で初めて明らかにしました。
現在は明らかにした構造を元に、構造生物学的研究を中心とした創薬開発の研究を進めています。

インフルエンザウイルスのRNAポリメラーゼの構造を解明

光感受性タンパク質の光遺伝学への応用(朴グループ)

光によって制御されるタンパク質は動植物に広く存在しており、生命維持等の重要な役割を担っています。
近年はこれらのタンパク質を利用して、細胞などを光によって操作する技術の開発が進められています。
我々の研究グループでは、ランソウ由来の光活性化アデニル酸シクラーゼ(OaPAC)の構造や、海洋微生物の塩化物イオンポンプロドプシンの輸送機構の仕組みを世界で初めて解明することに成功しました。
また併せてXFELを用いた高速分子動画実験による、タンパク質内部で起こる光エネルギー移動や高速な構造変化について明らかにすることを目指しています。

光センサータンパク質の構造を原子レベルで 解明

光センサータンパク質によるcAMP生成の仕組みを解明

海洋微生物の塩化物イオンポンプロドプシンの輸送機構の解明

ヘモグロビンによるガス分子運搬の直接観察に成功

光受容タンパク質「ハロロドプシン」の新規アニオン輸送機構を解明