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生命医科学研究科 ピエロ・カルニンチ大学院客員教授が島津賞を受賞しました!

2017.02.22
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  • 研究

生命医科学研究科 ピエロ・カルニンチ大学院客員教授が島津賞を受賞しました!

(以下各WEBサイトより記事抜粋)

島津賞について

科学技術、主として科学計測および
その周辺の領域における基礎的な研究において、
著しい成果をあげた功労者を表彰します。
島津賞推薦依頼学会から推薦のあった候補者を、
選考委員会が選考し、理事会の審議を経て決定します。
表彰式、受賞記念講演は、
平成29年2月24日(金)
京都ホテルオークラ(京都市中京区河原町御池)
において、行われる予定です。

受賞理由

転写開始点解析による埋もれた遺伝子とゲノム機能の解明
推薦学会 : 日本分子生物学会
生物の全遺伝情報をゲノムと呼び、その実体はDNAの配列(塩基配列)である。ヒトゲノムでは全塩基配列の約2%に、生体を構成するタンパク質の設計情報(アミノ酸配列)が書かれている。DNAの塩基配列は必要に応じて mRNAにコピー (転写)され、mRNAの配列情報を基に核外にあるリボソーム上で各種タンパク質が合成される。従って、ゲノムのどの領域がどのように転写されるかのメカニズムを理解することがゲノム機能の解明には欠かせない。ゲノム機能の解明は、生命科学の基礎研究にはもちろんのこと、今後の医療関連産業にも大きく寄与することが期待されている。
カルニンチ氏はゲノムから転写されるRNAの網羅的な解析を可能にする技術の開発に取り組み、完全長cDNA作製技術やCAGE法を開発した。特にCAGE法は、転写開始点に絞ってRNAの配列とコピー数を測定することで、いつどこでどの遺伝子がどれくらい発現しているかをゲノム全体に渡って短時間に測定できる、画期的なRNA解析手法である。カルニンチ氏はこれらの技術を駆使し、ゲノムDNAの多くがRNAに転写され、そのほとんどがタンパク質の設計情報を持たないノンコーディングRNA(ncRNA)であることなど驚くべき発見を行った。現在、CAGE法はFANTOM、ENCODEなど国際的なゲノム解析プロジェクトに必須の技術として採用されている。
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